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江國香織『きらきらひかる』

 人は皆同じなのだと、よく言われるけれど、私は同じ人と出会ったことなど一度もない。ある程度同じ器官と身体を持って、意思疎通可能だから「同じ」というカテゴリーに入れられるけれど、皆違う。その人だけが纏う空気、その人の癖が出る言葉遣い。人が皆違うということは自分も他の人とは違うということで、彼らとの生活はとても刺激的で新鮮なものだけれど、時々とてつもない孤独感に襲われる。どんな会話の果てにも、全てを理解し合うということが起こりえないことを、なんとなく感じているからかもしれな。
 私はこのまま、ずっとひとりなのかもしれない。そう思うことが私を怖くさせる。

 そんな時に読む江國香織の作品は、私を落ち着かせてくれる。彼女の中で一貫された言葉で話してくれるから。だから理解出来たような気にさせてくれる。けれどすぐ、欲しいものを手に入れたと思った瞬間に、すでに手を離れているというもどかしさが生まれる。彼女の文体や言葉を理解しても、いつも彼女は私の思考の一歩先にいたり、時には裏にいたりする。
 アルコール中毒の彼女とか、その旦那さんの男の子の恋人とか、3人の子どもを作ろうとか。その世界の切り取り方も好きだけれど、そこかしこに散りばめられた適度な突き放されるような距離感が落ち着く。人は違って、結局全部は分かりきれないんだという潔さと、その上で人と共にある姿に勇ましささえ感じる。そうありたいと思いつつ、空気も言葉もぴったりはまり合うような「運命」の人を私はまだ探してしまっているから。

| 19:00 | book and music | comments(2) | trackbacks(1) |
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こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
この記事にトラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。
posted by 藍色 | 2010/09/07 2:02 AM |
管理者の承認待ちコメントです。
posted by - | 2011/08/28 3:58 PM |
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